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猫と暮らすなら高気密・高断熱の家で

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最近の住宅は『高気密・高断熱』が当たり前のようになっています。

じゃあ具体的にどんな家が高気密・高断熱な家なのか、よく分からない人が多いのではないでしょうか。

今回は、ちょっと家の性能について目指すところを考えてみたいと思います。

断熱性能の基準

実は、住宅の『高気密』『高断熱』の基準というのは特に定められているわけではありません。

気密に関しては以前は国の省エネ基準があったんですが(C値=5.0未満※C値については後で説明します)、なぜか2014年になくなりました。

断熱性能を示す基準としては、『建築物省エネ法』に基づく省エネ基準というものがあり、断熱等級1~7で表されます。

その他、断熱性能の基準はいくつかあり、この断熱等級以外にも『H28省エネ基準』『ZEH基準』『HEAT20(G1~G3)』などがあります。

 

HEAT20とは

HEAT20とは、2009年に発足した「⼀般社団法⼈ 20年先を⾒据えた⽇本の⾼断熱住宅研究会」の略です。

HEAT20は有識者や民間が構成する団体で、住宅の快適性を考えるうえで重要な「外⽪性能(断熱・遮熱・通⾵・採光など)」の目指すべき水準を示すべく研究を重ねています。

主に『室温』を指標にしていて、快適な温度を保つためのエネルギー効率やコストのバランスが良い家ってどんな家か?という事を数値で示すことにより、ハウスメーカーや住む人がそこを目指しやすくしてくれているんです。

最近では、このHEAT20が示す基準で断熱性能を語られることも多くなってきました。

 

日本は北から南まで地域によって気候がかなり異なるので、気候に応じた断熱性能を求める必要があります。

そのため、どの断熱基準も以下のような8つの地域区分に分けて設定されています。

引用:HEAT20の家―⼿に⼊れよう豊かなくらし

 

各断熱基準をクリアしているかどうかは『UA値(外皮平均熱貫流率)』という数値で判断します。

熱貫流率(U値)とは、壁や窓などの熱の伝えやすさを表す指標で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。

UA値は、住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮面積(建物の外部と内部を隔てる境界部分の面積)で割った値で、住宅の外皮部分全体の断熱性能を表します。当然、数値は低い方が断熱性能は高くなります。

住宅に使われる断熱材や窓、ドアには全て熱貫流率が示されているので、これらを基にUA値が計算できます。

住宅の断熱性を上げたい、つまりUA値を下げたいと思えば、より熱貫流率の低い窓を使うとか、窓のサイズを小さくするとか、そもそも窓の数を減らすとかといった対策がとれる、という具合です。

それぞれの断熱性能基準におけるUA値上限を地域ごとに示した表がこちら

引用:日本住環境株式会社

いわゆる『高断熱の家』にしたいなら、断熱等級は5 以上、HEAT20のG1以上(できればG2以上)を目指すのがよい、というのが現在の指標になっています。

HEAT20のG1というのは、細かい説明は省きますが、比較的温暖である3~7地域において、冬期の家の中での最低の体感温度が概ね10℃を下回らない、G2はおおむね13℃を下回らない程度の断熱性能であることを示しています。

因みに、建築中のわが家は『5地域』にあります。

そしてわが家のUA値はというと・・・

『UA値:0.43』

なので、断熱等級:6  HEAT20:G1

という事になります。

前にも書いた通りZEH住宅なのでそこは当然クリアしていますし、十分『高断熱な家』といえます。

惜しいのは、すぐ隣の、ほんの目と鼻の先にある市は6地域なので、そこならG2だったのに~!という事でしょうか😂

気密性能の基準

気密性能に関しては、断熱性能と違い国が示している基準などはありません。

そもそも気密性というのは何かというと、要は家全体にある『無駄なすき間』が多いか少ないかという事になります。

すき間があると熱効率が落ちたり、すき間風が吹いたりして不快適なので、すき間が小さい方が住環境が良い、快適な家だという事になりますね。

この気密性能=隙間の面積の割合を数値化したものが『C値(cm²/m²)』です。

気密性を高める目的は、

①冷暖房の効きを良くする

②計画換気(24時間換気)を正常に働かせる

③壁内結露の防止(繊維系断熱材)、断熱材の品質保持

などが挙げられます。

現在の建築物は、シックハウス症候群などの健康被害の対策として2003年から24時間換気が義務付けられています。

2時間で家の空気がすべて入れ替わるように設定されていますが、家にすき間が多いと当然この計画がうまくいきません。

そういった観点からも、家の快適性能を維持するために『高気密な家』を目指そうというわけです。

『高気密な家』が目指す基準は、当然すき間が小さいに越したことはないですが、あまりに高気密を目指し過ぎるのもコストがかかったりしておトクではないので、多くの人が不快じゃないと思う程度の気密性でいいじゃない、というレベルを、断熱性のところでも出てきた『HEAT20』が研究して数値化されたものを目安にしています。

HEAT20が提案しているのが『C値=0.7cm²/m²±0.2cm²/m²』、0.5~0.9ならメッチャいいよね!というところ。

そもそもこの数値は厳しめの設定なので、コスパ的なことも含めて考えたら、大体1を切っていれば高気密という感じみたいです。

断熱性能をはかるUA値は計算で出せましたが、C値は計算できません。

というのも、どんなに理論上すき間がないように設計しても、施工の仕方によってはすき間ができるわけですし、どのくらいの隙間があるかなんて分かりません。

目で見て分かるものでもないので、どうやって調べるかというと、『どのくらいすき間風が吹いているが実測する』という方法になります。

具体的に言うと、窓や玄関ドアなど外に通じるところはしっかり閉め、換気扇などの『必要な穴』は塞いだ状態で部屋の空気を排出し、室内に圧力をかけます(負圧にする)。

ある一定の圧力をかけた時に空気が流れ出ていっている量を測定することで、家全体にどのくらいの面積の隙間があるか計算できます。

それを家の床面積で割ったものがC値というわけです。

ということで、一昨日わが家の気密測定に立ち会ってきました。

この機械で家の空気を吸い出します。

測定中は圧がかかるので耳がキーン・・・とは特になりませんでしたが、気密シートを張っているところが引っ張られてパンパンに膨らんでいました。

ここは風呂のドア部分ですが、本来入るべき木枠がまだ付いていないという事で気密シートで塞いでありました。

測定はほんの数分で終わり、緊張の結果発表。。。

出ました!

『C値:0.9』

1を切りました!

すごくいい数字ではないけど、『高気密な家』の目安はクリアです!

袋入りグラスウールで施工してある住宅では、吹き付け断熱などと比べると気密がとりづらいので施工者の丁寧な仕事がモノをいうらしいのですが、見事に結果を出してくれました✨

因みに、総隙間面積は76cm²という事ですので、家全体の全ての隙間をかき集めたら8.7cm四方の穴になる計算です。

そう考えると結構小さいですよね😆

これでわが家は『高気密・高断熱の家』といっていいでしょう!

猫にとっても利点がある高気密・高断熱の家

ここまで家ブログのような内容で書いてきましたが、家の性能を求めるのは猫のためでもあります。

猫はずっと家の中で過ごしているので、住環境は猫の生活の全て。

暖かいところを好む一方、窓際で外を眺めるのが好きな猫にとって、家の隅が寒い、すき間風が入る、というのは避けたいところ。

せっかく猫と過ごす家を建てるのだから、猫たちには一生快適で幸せ~と思っていて欲しい。

そんな願いもあり、住宅性能にはこだわってきました。

たくさんお金をかければもっと簡単に高性能な家が建つのかもしれないけど、自分たちにできる範囲で目指してきたことが結果になって表れて、今回は本当に嬉しかったです。

あの家で猫たちと過ごすのがますます楽しみになってきました。