猫の問題行動には意味がある
ちくわの困った行動はたくさんありますが、中でも不思議なのが『ふすまカリカリ』。
一体どんな行動なのか、なぜそんなことをするのか。
猫の心の問題についてちょっと考えてみました。
ふすまカリカリって?
ちくわがよくする行動『ふすまカリカリ』とは、名前から想像できる通り、襖をカリカリと掻く行動です。
襖を掻く、といっても、実際に掻いているのは襖の『フチ』で、わが家の襖のフチはアルミで出来ているため傷は付いていません。
前足でカリカリやってはいますが、恐らく爪は出ていないと思います。
実際の様子を動画でどうぞ。
一見するとただ開けたがっているだけのようですが、必死になって開けようとするときは隙間に爪を突っ込んだり、横になってこじ開けようとするはず。
襖縁をカリカリしたところで開かないので、これは自分で開けようというよりは何かのアピールのように見えますね。
どんなタイミングでするのか
ちくわは、一体どんなときに『ふすまカリカリ』をするんでしょうか?
ちくわは人に相手をしてもらえないとき、気を引くために色んな手を使ってきます。
鳴いてウロウロする、物を落とす、紙や冊子が重なっているのを引っ掻く、等々。
この『ふすまカリカリ』も、それらと同じようなタイミングですることが多いですね。
襖を開けた後は発動率が高いので、開けて欲しいという欲求も少しはあると思いますが、本当に開けたいというよりは『遊んで欲しい』という気持ちの方が強い気がします。
その証拠に、やっている最中に声をかけると手を止めてこっちを見るし、近づくと襖の前を離れてこちらに寄ってきます。
猫の心の病気
それにしても、かなり間接的なアピールですよね💦
普通の行動とは違い、やはり心の問題なんではないかな、と思います。
このような行動が現れる猫の心の病気について考えてみたいと思います。
常同障害
ちくわの行動を見ていて真っ先に思い浮かぶのが『常同障害』。
ストレスや不安を感じたときに、全く関係のない行動を何度も繰り返す不安障害の一種です。
以前、ちくわがビニール袋を食べてしまうという問題を記事にしたときにもこの事に触れました。
猫に現われる常同障害の主な症状は次の通り。
- 尻尾を追いかけてグルグル回る(尾追い)
- 過剰なグルーミング
- 布などの柔らかいものに吸い付く、食べる
- 同じ場所をウロウロする
これらの他に、穴を掘るような行動が犬でよく見られるそうです。
ちくわの『ふすまカリカリ』は、襖を開けたいわけではないのにひたすら掻き続けている点でかなり常同障害に近いものだと思います。
症状が悪化すると、呼んでも止めなかったり、自身を傷つけるまで行動が繰り返されたりするので、一日数回程度ですぐに止めるようであればそれほど心配する事はないそうです。
分離不安症
ペットの室内飼育が当たり前になってきているいま、分離不安症にかかる犬や猫が増えているそうです。
その症状は次のようなもの。
- 落着きがなくなりウロウロする
- 大きな声で鳴き続ける
- トイレ以外で排泄する
- 去勢済なのにスプレー行為をする
- 家の中のものを落とす・壊す
- 食欲不振・下痢・嘔吐
- 特発性出血性膀胱炎などを起こす
- 過剰なグルーミング
こうしてみると、半分以上がちくわに当てはまる・・・💧
通常、分離不安症によるこのような行動は、同居人の留守中や外出しそう!と感じたときに現われるものですが、ちくわは普段からこんな感じ。。
ちくわの場合、”構ってもらえない” という事が留守にしているのと同じくらいストレスになっているのかもしれません。
部屋を出る音がするとすぐにドアの前にやって来るし、イタズラをしていても私がそばに行くだけで落ち着いたりするので、ニンゲンに対する依存度はかなり高い方だと思いますね。
アテンションシーキング
病気ではないですが、猫が同居人の気を引いたり、関心を求めようとしてとる行動をこう呼ぶそうです。
聞き慣れない言葉ですが、人間の子どもでも見られる行動なので、子育てに悩んだ経験のある親御さんなら耳にしたことがあるかもしれません。
相手が嫌がる行動をとることで自分に関心が向く、そのことを学習してしまうと、気を引きたいときにわざと怒られるような事をするようになる、という問題行動のひとつ。
犬や猫では、足先を執拗に舐めたり尾追いといった行動となって現われる事があるそうです。
ちくわの行動の数々を見ていると、これが一番しっくりくる気がします。
他の子たちは気を引きたいときには直接ニンゲンに呼び掛けたり触れてきたりしますが、ちくわはまずモノに行く事が多いです。
過去にイタズラをしたら遊んでもらえてすごく楽しかった!という記憶でもあるのかなぁ。
猫も心のケアが必要
ちくわのこうした行動は子猫の頃からありましたが、『ふすまカリカリ』のような不思議な行動はここ最近するようになった気がします。
今のアパートに引っ越してきてから私が家にいる時間が長くなったこともあり、ニンゲンへの依存度が高くなったのかもしれません。
重い症状は出ていませんが、ちくわの状態は心の病の一歩手前という感じ。
家にいても何かとやる事があり、いつも相手をしてあげられるわけではないですが、猫たちの心をケアできるのは私たちニンゲンしかいないですし、その責任がありますよね。
猫も家族ですから、心の問題と向き合う努力はしないといけないなぁ、と実感しています。