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ある猫の思い出~その③~

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ピョンコたちと、中途半端ながらも平穏に過ごしていた私たちですが、いつまでもこんな暮らしが続くはずがありません。

別れのときは突然やってくるのです。

ピョンコの妊娠

ピョンコとはんちゃんはとても仲の良いパートナーでしたので、当然のごとくピョンコは妊娠しました。

この事は予測できたはずなのに、何故か楽観していたように思います。

妊娠してからというもの、ピョンコは部屋にいる時間が長くなり、ニンゲンの近くでも横になって眠ることがありました。

警戒を完全に解くことはありませんでしたが、この部屋が暖かくて落ち着ける場所だとは認識しているようでした。

この段階でもまだ、私はピョンコを保護するという具体的なプランもないまま見守るだけでした。

というのも、きっとピョンコはどこか知らないところで出産するに違いないし、ピョンコの母猫がそうだったように、子猫を庭先に連れて来て育てるんだろう、くらいにしか考えてなかったからだと思います。

これだけ世話しておきながら無責任な話ですが、ピョンコがそこまで私たちを信用しているとは思ってなかったんです。

いよいよお腹が大きくなってきて、胎動もはっきり確認できるようになると、当時の私は今後の心配よりも子猫が見られる期待の方が膨らんでいたように思います。

お腹が大きくなったピョンコ

ゴールデンウィーク間近のある日、部屋に置いてあったカバー付き猫トイレにピョンコが入りました。

今まで一度も使ったことがないのに、と思って見ていると、いつもと様子が違う。。。

少し不安そうに小さく鳴いたピョンコを見て、『産まれるんだ❗』と確信しました。

私は、まさかピョンコが部屋で産もうとするなんて考えてもいなかったので何も用意していなかったし、かなり動揺しました😵

こうなったら部屋で産んでもらうしかないか❗❓

でも数日後にはGWで外泊の予定があるから、部屋に閉じ込めておくことはできないし、どうする❗❓

でも放り出すわけにもいかないし・・・やっぱりここで産ませようか❗

と思いを巡らし、不安げなピョンコを撫でようと手を伸ばすといつものパンチ。。。

 

そのとき、外からはんちゃんが入ってきました。

はんちゃんに擦り寄って甘えるピョンコ。

するとはんちゃんは、『ここじゃないぞ!』と言ってピョンコを促すように外に出て行き、それについてピョンコも出て行ってしまいました。

結局その夜、2匹は戻ってきませんでした。

というより、ピョンコは二度と私たちの前に姿を見せることはなかったんです。。。

ピョンコとの別れと後悔

その後、ピョンコが子猫を連れて戻って来るんじゃないかと毎日外を眺めて暮らしました。

でも、ピョンコは帰ってきませんでした。

はんちゃんは数回庭先に現れ、そのときは部屋に誘いましたが、ふっと視線を外して行ってしまいました。

ピョンコがここにいないと知っているから、つまり別のところで出産して元気に暮らしているから入って来ないんだ、と思い込もうとしました。

そうしないと、後悔の念で押しつぶされそうだったからです。

あのとき私が受け入れなかったせいで、ピョンコは寒空の下で出産し、もしかしたら何か問題が起きて今頃・・・。

でもあの時は仕方なかったんじゃないか?追い出したわけでもなく、出て行ったんだから・・・。

その瞬間まで何の準備もしていなかった自分が悪いと分かっていながらも、こう思うことで自分を納得させようとしていました。

そのうちはんちゃんも庭に来なくなり、私たちの楽しかった生活は完全に終わってしまったのです。

ピョンコたちが来なくなってからも、庭先のセンサーやカメラは付けたままにしていました。

いつか戻って来るかもしれない、そうしたらすぐに窓を開けて招き入れよう、と淡い期待を抱いていたからです。

たまにセンサーチャイムが鳴ることがありました。

でも大概は草の影などによる誤作動か、スズメや小動物が横切っただけでした。

新たな出会い

ある夜、チャイムが鳴ったのでドキッとしました。

夜は影の誤作動はないし鳥も来ないので、猫の可能性が高いんです。

でもそれほど期待はせずに窓の外を見ると、しっぽの辺りに縞模様のある猫が❗

その猫は、私がカーテンを開けたことに驚いてすぐに逃げてしまったのではっきりは見えなかったんですが、ピョンコに似ていたように感じました。

初めはピョンコ!?と思ったんですが、体の部分に模様が少なかったような気がするし、ピョンコより少し大きかったような・・・?

ピョンコの子供にしては大きいし、でもピョンコに似ていた。きっと血縁関係があるに違いない!

あの子と仲良くなりたい!そして今度こそは・・・。

そういう思いで出会ったのが、アビーでした。

アビーは、はじめは夜のうちしか庭に来なかったので、これまでの出来事とセンサーがなければ出会っていなかったかもしれない。

ピョンコとの事がなければ、アビーが妊娠したときに同じ事をしていたかもしれない。

だから、アビーとの出会いはピョンコの思い出と切り離せないんです。

 

私に覚悟がなかったせいで、ピョンコには辛い思いをさせてしまったかもしれない。

後悔の思いはありますが、その分、アビーと子供たちを大切にしていこうと思っています。

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