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本のご紹介~わたしのげぼく~

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今日は久しぶりに猫本をご紹介したいと思います。

タイトルは『わたしのげぼく』(アルファポリス)。

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作:上野そら先生、絵:くまくら珠美先生による”大人向けの”絵本になります。

大人向けといっても、ほぼひらがなで書かれているのでお子さんでも読めますよ。

共感できるのは小さいお子さんより大人の方かな、という類のお話。

ほぼひらがななのは、これが絵本であるからというのはもちろんあるでしょうが、この物語は、猫の『わたし』が飼い主である少年『げぼく』との出会いから別れを語る内容になっているためではないでしょうか。

立派な体格の、ちょっとエラそうな猫が印象的な表紙。

タイトルからも分かるように、この猫『わたし』は、飼い主のことをご主人だなんて思っていません。

まあ、世の飼い猫はほぼみんなそうでしょうけど。

『わたし』はかっこよくて、かしこくて、すばやくて、かわいい(…心外ではあるが)のだから、『げぼく』が世話を焼くのは当然。

まだ子どもの『げぼく』はとてもどんくさいので、『わたし』のスピードについてこれずに転んでは泣く、おもちゃを壊されたといっては泣く、ごはんを食べるのも遅い、流れ星に願い事を3回言うのも間に合わない、本当にしかたのないやつだ。

そういいながら、『わたし』は優しい目で『げぼく』を見守っています。

そして月日は流れ、『わたし』が『げぼく』と出会ってから18年が経ちました。

『わたし』はかしこいので、年老いた自分がこの先どうなるのか分かっています。

体が大きくなっても相変わらずどんくさい『げぼく』への想いを、『わたし』は静かに語ります・・・。

出会いから別れの話なので、当然最期の瞬間が来る事は分かっているんです。

なにも特別なことが起こるでもなく、ごく普通の、あたりまえの別れのシーンなのに、やっぱり涙が出てきてしまうんですよね。

一度でも動物と暮らしたことがある人なら必ず共感できるはず。

そして今動物と暮らしている人は、きっとその子を抱きしめたくなるでしょうね。

別れは悲しいけど、この本は決して悲しいお話じゃない。

読んだ後、自分の猫をもっと愛おしく感じる事ができる、温かい本です。

因みに、この本で絵を担当されているくまくら珠美先生の描く猫ちゃんと、ウチのつみれがよく似ているなぁ、と思ってまして。

先日そのことをTwitterでつぶやいたら、なんとご本人から『かわいい』のお言葉を頂いちゃいました✨

くまくら先生の描く猫ちゃんは、丸くてちょっと目付きが悪くて、愛嬌たっぷり。

その姿が上野先生のおはなしとぴったりマッチして、何とも言えない世界観を生み出しています。

この本は、私のお気に入り本の中でもかなり上位に入りそうです✨ちょっと宝物レベルかも。。

温かい気持ちになりたい方は、ぜひ読んでみてください。